正社員がバイト掛け持ちした場合、会社にバレる?

1日の労働時間は8時間以内、1週間の労働時間の合計を40時間以内に収めることが労働基準法で定められています。また、週1日以上あるいは4週間に4日以上の休日を定める必要があります。

この時間を超えた場合は時間外手当または休日手当を払う必要が出てくるのです。
時間外手当は2割5分以上5割以下、休日手当は3割5分以上を本来の給料に増額しなければなりません。
また、労働基準法38条によりこれらの時間外手当は一ヶ所で働いた場合に適用されるだけでなく、複数の事業所で働いた合計の時間にも適用されます。

アルバイトをする場合の注意点

日本のサラリーマンで正社員の平均労働時間は、1日7時間を超えています。
これではほとんどの正社員がアルバイトをした場合、時間外労働になってしまうことになります。

つまり、正社員がアルバイトをする場合、企業側が時間外手当を支払わなければならない義務を追うことになります。

結論から言いますと、自分から企業やアルバイト先に副業についての話をしない限り問題はないが、後からバレた場合に、企業としては、時間外超過金額を払う必要が出てきて、アルバイトを辞めるように言われたり、好ましくないと思われる可能性があるという事です。

具体的に、どのようにバレる可能性があり、どう対策すべきかについて見ていきます。

会社とアルバイト先の両方に知らせる場合

基本的に時間外手当は、副業であるアルバイトをするときに受け取ることが多いと考えられています。

通常時給800円だとして時間外手当を加算して時給1,000円以上、休日手当を加算して1,080円以上の時給をアルバイト先は支払わなければなりません。

結局、会社がアルバイト先に通知してしまった以上、企業やアルバイト先は、官公庁からコンプライアンス違反だと指摘されることを避けるために、何らかの対応(超過分を支払う)をせざるを得ず、企業にとってはそれで解雇や注意にはならないかもしれませんが、嬉しい状況ではないことを理解スル必要があります。

企業の種類にもよりますが、大企業や上場企業は放置してはくれないでしょう。

会社にのみ許可を取る場合

会社に副業する許可を取って、アルバイト先に詳しいことは話さないというのも考えられます。これが一番無難な方法でしょうか?

労働時間を把握していない場合は、時間外手当を支払う責任はないと考えられますし、そもそも労働者側が請求しない限り問題は発生しないはずです。

ただし、会社側はそのことを把握しているわけですから、会社側が時間外手当を支払わなければならない可能性もあります。

会社にも許可を取らない場合

どちらにも知らせないというのは、アルバイトをすることだけを考えたら一番簡単でしょう。会社もアルバイト先も時間外労働になることを知らないため、当然時間外手当も発生しません。

副業が禁止されている場合などは、実際に隠れてアルバイトしている人も多いでしょう。

しかし、いずれは会社に知られる可能性が高いです。

当然、発覚したら問題になる可能性があります。
そして時間外労働をしているという事実は、会社の業務に支障をきたすと判断されても仕方ないと考えられます。
その場合は、副業禁止が法的にも認められると考えられるためリスクは高いです。

週40時間以上だとばれる?

住民税の徴収でバレる可能性がある

正社員の副業や掛け持ち(Wワーク)は住民税の支払いにより主たる勤務先にばれてしまうことがあります。副業やWワークでの収入がある場合確定申告が必要です。
通常会社が年末調整をしてくれれば確定申告の必要はありませんが、副業やWワークでの収入がある場合は確定申告が必要となります。
なぜなら年末調整をしてもらえるのは主たる勤務先のみだからです。 

確定申告をもとに本業と副業の所得が合算され、総所得が計算されます。

給与所得の場合は、勤務先に住民税の通知書、納付書が送付されます。
通知書記載されたあなたの所得金額について、その企業の人が確認したときに企業の給料より高い所得があることに気付けば、バレルということになります。

よほどアルバイト先での金額が高収入出ない限り、目に止まらないですし、通知書を見た労務担当者などが、わざわざ上司に報告することも少ないのではないでしょうか。

特別徴収では総所得額が本業に通知される

それではなぜ住民税の特別徴収では正社員の副業や掛け持ちが主たる勤務先にばれてしまうのでしょうか。

まず税務署は本業と副業の所得額を各市区町村の役所に連絡します。役所はその総所得額をもとに住民税を計算します。特別徴収の場合役所は主たる勤務先に総所得額、主たる給与所得、その他の給与所得、住民税額などを通知します。

 このさい副業や掛け持ちの所得であるその他の給与所得があれば、副業の存在も主たる勤務先にばれてしまうというわけです。また主たる給与所得から計算した住民税額よりも、実際の住民税額が多くなれば当然、その他の収入があることも気づかれます。

他にもバレる原因としては以下のようなものがあります。

雇用保険

働く時間が週に20時間を超えると雇用保険に加入しなければなりません。しかし雇用保険は働いた会社の分だけ入れるものではなく、1つしか加入することはできません。

よってアルバイトを週に20時間以上してしまい、アルバイト側に何も言わないとそちら側での雇用保険の手続きを行われてしまいます。それを放置していると、正社員として働いている会社に『雇用保険の損失手続き』が届いてしまいます。

会社側としては働いているのに届くとなれば、おかしいことになってしまいます。そこで他にも仕事をしていることがバレてしまいます。

社会保険

企業によってはアルバイトでも週20時間を超えると社会保険に入らなければいけないところがあります。コンビニなど社会保険の加入制度がないところもあるので、アルバイトを選ぶ際にも社会保険の加入制度があるか調べましょう。

社会保険は雇用保険とは違い、いくつでも加入できてしまいます。違うところで別々に加入しても統合して考えられます。保険料の計算は特別に行われるので、それぞれの会社に加入していることがバレます。

したがってどこの企業でなんの保険に入っているのかがバレてしまいます。アルバイト先は社会保険加入制度があるのか、何時間から加入しなければいけないのかを知り、それに合わせて働くようにしましょう。

マイナンバー

最近ではアルバイト先もマイナンバーの提出を求めてくることが多いです。

 マイナンバーを提出することで、保険の支払っている状況や給与の状況を統括して見ることができます。
そのため、掛け持ちしているところそれぞれに提出するとマイナンバーからバレることがあります。

マイナンバーの提出は働いている側から求められますが、提出は法律で義務付けられてはいません。雇う側もマイナンバーを必ず提出してもらわなければいけないきまりはありません。

 ですので、アルバイト先でマイナンバーが分からなくなってしまった、とかすぐに出てこないと言ってそのままになるようにするか、あるいは個人情報だからと言って断るという事が可能です。

企業自身がマイナンバーを使って、従業員の所得を知ることや調べることはできません。