収支計算書の書き方

収支計算書とは?

収支計算書とは、年度などの一定期間における「収入」と「支出」をまとめた決算書です。ここで、収入と支出は実際に出入りした資金についての増減になります。

 個人事業主や企業は、年間または年度の利益と費用をまとめた損益計算書を作成しなければなりませんが、収支計算書は会計上の利益・費用ではなく、実際に年間または年度の資金の動きをまとめます。

 ここで、「利益・費用と資金の増減は同じではないか」と疑問に思うかもしれませんが、年間や年度といった一定期間で区切りをつけた場合、両社は必ずしも一致しません。

 例えば、3月決算の会社が掛取引による商品の売買を行っているとします。この時、3月中に商品を得意先に引き渡し、4月にその対価となる代金を支払った場合に、決算における利益・費用と資金の増減が一致しなくなります。

 会計上は、3月中に商品を引き渡したことで、売上を計上する要件を満たしているため3月度の売上として損益計算書にこの取引を反映させなければいけません。

 一方、資金の動きについては、3月には対価となる現預金はまだ受け取っておらず、4月になって入金された場合にはじめて自らのものになります。よって、決算においてこの取引を収支計算書に反映させてはいけません。

 このように、会計上の利益・費用と資金の増減は、必ずしも一致しません。そのため、利益・費用の動きを表した損益計算書とは別に、決算の際に自らの手元にどれだけ資金があり、それらの資金が会計期間を通じてどのように変化したかを明示するために、収支計算書を作成しなければならないわけです。

収支決算書とは?

一定期間(多くの場合4月から翌年3月までの1年間)の収支をまとめ、経営実績や財務状況を明らかにするため作成されるものです。

ただ、収支決算書というのはいわば複数の書類をまとめた状態での通称であり、収支に関する書類の中で主なものだけを挙げると「貸借対照表」「損益計算書」「キャッシュ・フロー計算書」の3点以上で収支決算書を構成しています。

キャッシュフロー計算書

キャッシュ・フロー計算書とは、一会計期間の企業のキャッシュ・インとキャッシュ・アウトを捉え、企業のキャッシュの流れを計算して表示する財務諸表です。

企業は事業活動に伴いさまざまな取引を行っていますが、企業の取引には当然キャッシュが関連しています。取引には企業にキャッシュを流入(キャッシュ・イン)させる取引とキャッシュを企業から流出(キャッシュ・アウト)させる取引があります。キャッシュ・フロー計算書は一会計期間の企業のキャッシュ・インとキャッシュ・アウトを捉え、キャッシュの期首残高に加減算してキャッシュの期末残高を計算する形式で、企業のキャッシュの流れを計算して表示する財務諸表です。

収支計算書で記載する項目

① 収入の部・支出の部

今期の収入がいくら有り、支出でいくらあったかわかるように収入の部・支出の部で分けていきます。

② 科目

収入・支出をグループ分けしたモノを記入します。

科目とは取引が発生したときに生じる収入・支出を記録する為の帳簿上のお金の名目を現す項目です。

科目についてはこちらの「会計でよく使う科目」で詳しく解説しています。

③ 前年度繰越金

前年度の現金+すべての預金口座の繰越金を「決算金額」に記入します。

前年度より繰越 = 4/1時点のお財布のお金 + 預金口座の残高 となります。

④ 摘要

科目の説明となります。活動内容が会の人にわかるよう具体的に記入していきます。

⑤ 当期収入合計

今期の収入の合計金額を記入します。

⑥ 収入合計

⑤当期収入合計と、③前年度繰越金を足した金額を記入します。

⑦ 当期支出合計

今期の支出の合計金額を記入します。

⑧ 次年度繰越金

⑥収入合計から ⑦当期支出合計を引いた金額を記入します。

次年度の「前年度繰越金」となります。

⑨ 支出合計

⑦当期支出合計と⑧次年度繰越金を足した金額を記入します。

収入合計と支出合計の金額は必ず一致します。